「シロアリ駆除は自分でできるの?」
と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
市販の駆除剤や簡単な道具を使えば、ある程度の応急処置は可能です。
しかし、シロアリは床下や壁の中など見えない場所に巣を作り、静かに家を蝕むため、DIYだけで完全に根絶するのは難しいのが現実です。
この記事では、バリア工法・ベイト工法など市販薬の特徴とその限界、実際にDIYを試した方の失敗例・成功例まで詳しく紹介。
さらに、被害が進行する前にプロへ相談すべき判断基準も解説しています。
大切な住まいを守るために、正しい知識と現実的な対策を知っておきましょう。
シロアリ駆除は自分でできる?まず知っておくべき基礎知識
「シロアリを見つけたけど、業者に頼む前に自分で駆除できないかな?」と考える方は多いと思います。
特に、業者に頼むと高いんだろうなと悩む気持ちはよくわかります。
ただし、シロアリ駆除は簡単そうに見えて実は奥が深い作業です。
まずは、市販されている駆除薬の種類や基本知識を押さえておきましょう。
市販のシロアリ駆除薬の種類と特徴
市販のシロアリ駆除剤は、大きく分けて次の2種類があります。
駆除薬の種類 | 特徴 |
---|---|
バリア工法タイプ | 薬剤を木材や土壌に散布して、シロアリの侵入を防ぐ方法。即効性が高い |
ベイト工法タイプ | 餌に毒を混ぜて巣に持ち帰らせ、巣ごと壊滅させる方法。時間はかかるが根本対策になる |
たとえば、バリア工法は「床下の木材や基礎にスプレーするだけ」という商品も多く、初心者でも扱いやすいのが特徴です。
一方、ベイト工法は、巣に毒餌を持ち帰らせるため、設置後1~2か月程度は様子を見る必要があります。
市販されている代表的な製品としては、以下のようなものがあります。
- 【バリア工法】「シロアリ駆除剤 スプレータイプ」
- 【ベイト工法】「アースガーデン シロアリの巣撃滅 駆除エサタイプ」
ただし、これらは基本的に「応急処置」であることを理解しておきましょう。
バリア工法とベイト工法の違いをわかりやすく解説
バリア工法とベイト工法は、目的や効果の出方が大きく異なります。
- バリア工法
→ すぐに効果が見えるが、あくまで侵入を防ぐだけ。巣が残っている場合は再発リスクが高いです。 - ベイト工法
→ 効果が出るまでに時間はかかるものの、巣全体を壊滅できる可能性があります。
例えば、すでに羽アリが出ているケースでは、バリア工法だけでは不十分なことが多く、ベイト工法の併用が推奨されます。
また、素人が判断するのは難しいので、どちらの工法も説明書をよく読み、施工環境を確認してから使うことが重要です。
駆除剤の効果はどのくらい?知っておきたいメリットと限界
「市販のシロアリ駆除剤って本当に効くの?」という疑問は多くの方が抱くポイントです。
確かに、市販薬は手軽でコストも安いため魅力的ですが、過度な期待は禁物です。
ここでは、実際の効果と注意点をわかりやすく解説していきます。
駆除剤の即効性と持続性【実際の効果】
市販のシロアリ駆除剤は、即効性が高いものと、持続的に効果を発揮するものの2タイプに大別されます。
ただし、いずれも「全てのシロアリを完全駆除できる保証はない」ことがポイントです。
特に、深い場所に巣がある場合や見えない場所での被害には対応しきれないケースが多いです。
市販薬ではカバーできない範囲とは?
市販薬の限界は、ズバリ**「目に見える範囲」しか処理できない**ことです。
こうした見えない部分のシロアリ被害は、素人では発見も困難であり、駆除剤も行き届きません。
さらに、日本で多いヤマトシロアリやイエシロアリは、一度巣を作ると数万匹単位で繁殖するため、市販薬だけでは太刀打ちできないことが多いです。
実際、「見えているところは駆除できたのに、半年後に別の場所から再発した」というケースも多く聞きます。
このため、被害が広範囲に及んでいる可能性がある場合は、専門業者の点検を受けることが重要です。
自分で駆除した人の声|よくある失敗と注意点
「まずは自分で駆除を試してみよう」と考える方は多いですが、実際にやってみた方の声を聞くと、思わぬ落とし穴があることがわかります。
ここでは、よくある失敗例と、逆にうまくいったケースを詳しくご紹介します。
ケース①:シロアリが再発してしまった例
Aさん(60代・一戸建て)は、羽アリを発見した際にホームセンターで購入したスプレータイプの駆除剤を使用しました。
一時的に羽アリは見えなくなりましたが、半年後にまた別の場所から羽アリが発生しました。
原因は、巣が完全に駆除できていなかったことです。
シロアリは地中深くに巣を作ることが多く、表面だけ駆除しても再発するリスクが高いです。
- 「見えている部分だけの駆除」は根本解決にならない
- 定期的な点検と根本駆除が必要
ケース②:被害が広がり修繕費が高額に…
Bさん(50代・築20年の木造住宅)は、床下に蟻道を見つけ、自分でバリア工法の薬剤を散布しました。
当初は効果があったものの、2年後にリビングの床が沈み込むほど被害が進行していました。
結果、業者に依頼した際の見積もりは、駆除+床下補修で80万円超もしました。
最初にプロに点検してもらっていれば、もっと早く・安く済んだ可能性が高かったとのことです。
- DIY駆除はコストが抑えられるが、被害が進行すると逆に高くつく
- 定期的な専門家のチェックが安心
成功例も!駆除がうまくいったケースの条件
一方で、成功例もあります。Cさん(40代)は、早期発見できたため、自宅の基礎部分だけにシロアリがいた状態で、ベイト工法とバリア工法を併用。
施工範囲が限定的だったこと、また定期的な経過観察を欠かさなかったことで、2年経っても被害は再発していないそうです。
- 発見が早く、被害が浅い段階で対応できた
- 市販薬の特性を理解し、正しい手順で丁寧に作業した
- 定期的な点検と追加処置を行った
自力駆除のリスク|家に潜む見えない危険
シロアリ駆除は「スプレーして終わり」と思いがちですが、実際には見えないところに潜むリスクが大きいのが特徴です。
ここでは、自力駆除のリスクについて詳しく解説し、安易に済ませる危険性を理解していただきます。
巣ごと駆除しなければ根絶は不可能
シロアリは、木材の表面に現れることもありますが、本当の脅威は地中や壁内に隠れた巣です。
例えば、ヤマトシロアリは数千〜数万匹単位でコロニーを形成します。
巣がそのまま残っていると、たとえ一時的に駆除できたとしても、数か月〜1年後に再発するケースがほとんどです。
DIYでの駆除は、どうしても目に見える範囲だけの対応になりがちで、巣そのものを特定・破壊するのは非常に困難です。
専門業者は専用機器で巣の位置を特定し、薬剤を巣に直接注入するなど、根本的な対策を講じます。
- 自力駆除は「応急処置」レベルにとどまる
- 巣が残れば必ず再発するリスクがある
家の耐久性低下と健康被害のリスク
シロアリ被害は、家の見えない部分でじわじわと進行します。放置すると、
- 柱や土台がスカスカになり、耐震性が低下
- ドアや窓の立て付けが悪くなる
- 最悪の場合、床が抜ける・家が傾く
など、住まいの安全性に直結します。
さらに、シロアリそのものは人を刺したりしませんが、湿気や腐敗が進むことでカビが発生し、喘息やアレルギーの原因になることもあります。
健康面でも安心とは言い切れません。
- 家の構造を蝕むことで修繕費が高額化
- 健康被害の原因になることも
こんな場合はプロに頼むべき!判断基準ガイド
「できることなら自分で駆除したい」という気持ちは多くの方に共通していますが、状況によっては迷わず専門業者に相談すべきケースがあります。
ここでは、特に注意が必要な判断基準をわかりやすくご紹介します。
床下や壁内部の蟻道が見つかった場合
蟻道(ぎどう)とは、シロアリが作る泥状の通り道のことです。
これが床下や壁内部で見つかった場合、すでに活発に活動しているシロアリがいる証拠です。
DIYで表面だけ駆除しても、蟻道の奥には見えない数千~数万匹のシロアリが潜んでいる可能性が高いため、放置すると再発のリスクが極めて高くなります。
🔎 プロに頼むべき理由としては次の2点です。
- 蟻道の奥まで薬剤を浸透させるのはDIYでは難しい
- 専門業者は専用の機器で見えない部分も徹底的に駆除してくれます
羽アリが毎年発生する場合
「毎年春になると羽アリを見かける」という場合、それは近くに巣があるサインです。特に、同じ場所から羽アリが出ている場合は、すでに家屋内部で巣が定着している可能性があります。
DIYでは一時的に収まったように見えても、巣が残っていれば必ず繰り返し発生します。長期間にわたる被害を防ぐためにも、早めに専門家に相談することをおすすめします。
築年数10年以上で防蟻処理をしていない場合
日本の多くの住宅では、新築時に防蟻処理が行われていますが、その効果はおおむね5年程度とされています。
築10年以上で一度も防蟻処理をしていない家は、すでにシロアリ被害が進行している可能性があるため、特に注意が必要です。
「今は被害がなさそうだから大丈夫」と思っても、見えないところで静かに侵食が進んでいることも少なくありません。
定期的な点検と予防施工は、結果的に住まいを長持ちさせる秘訣です。
👉 [信頼できるシロアリ駆除業者はこちらの記事で紹介しています]
まとめ|自分でできるシロアリ駆除の現実と、賢い選択
シロアリ駆除は、市販の駆除剤や簡単な道具を使えば自分でもある程度の対応は可能です。
特に、被害が浅い場合や早期発見の場合は、DIY駆除でも一定の効果が期待できます。
しかし、実際のところシロアリは見えない場所に巣を作り、静かに被害を広げる習性があるため、根本的な解決には限界があります。
特に、床下や壁の内部など、目に見えない部分の被害は素人では完全に駆除することが難しいのが現実です。
「一時的に見えなくなったから大丈夫」と思っていても、数か月後に再発するケースも珍しくありません。
だからこそ、被害の範囲や再発リスクをしっかり見極め、必要なら迷わず専門業者に相談することが、結果的には住まいを守る最善策です。
👉 [信頼できるシロアリ駆除業者の選び方はこちらで解説しています]